【未来授業「知の先達」による公開授業】スプツニ子!明日の日本人たちへ 〜日本の転換点未来を創る〜 書き起こし

スプツニ子!

マサチューセッツ工科大学メディアラボ助教授スプツニ子!さんが、未来授業「知の先達」達による公開授業で語った、これからのものづくりのやり方について書き起こしました。

Sputniko

明日の日本人たちへ 〜日本の転換点未来を創る〜 書き起こし

ナレーション

大きな転換の時期に来ている日本。この転換点の先に若い世代はどんな未来を創っていくのか。各界の知の先達が現役大学生に直接語りかけました。今週はアーティストにして、MITメディアラボ助教授のスプツニ子!さんの講義です。Twitter、Facebookなどのソーシャルメディアを駆使して、作品を世界に紹介していくスプツニ子!さん。

彼女が見通す既存の枠組みからはみ出していくポピュラーの概念とは?
今日のキーワードは、ソーシャルメディアが創るネオポピュラーの時代。

スプツニ子!

私もTwitterのおかげで、ソーシャルメディアのおかげで、チームを作って、自分の作品を発表、拡散していっているアーティストです。

今私は、ネオポピュラーの時代に入っていると思っていて、今までポピュラーになるとか、人気者になるとか、たとえば、テレビですとか、ラジオですとか、凄く大きなメディアに露出をするって考え方があって。

だからまあ、商業的なものこそポピュラーになるとか、商業的な考え方がポピュラーになるっていうアイデアがあったんですけど、今私たちは、ソーシャルメディアっていうメディア、Youtube、ニコニコ動画、Ustream、Twitterを手に入れた今、もう無料でガンガンコンテンツを発信して、受信することができる。

だから、人気者であることっていうのは、必ずしも商業的であることとかではなくなったんですよね。

これは凄く面白いことで、例えば私の作品も3年前に大学院を卒業して、初めて展示したのが東京都現代美術館だったんですね。その次に展示したのが、ニューヨークMONA近代美術館。

それって、15年前のアーティストにはあり得ない

学校出てすぐ美術館で展示ってあり得なかったんだけど、やっぱそのとき私は作品をYoutubeにのっけていたから、都現美のキュレーターとニューヨークMOMAのキュレーターがYoutubeで見て「この子、面白いじゃん! いいな、ちょっと展示しよう」みたいな感じで拡がっていった。

だから、なんていうかチャンスは、無限にひろがっている時代なんですね。
自分の言いたいこと、議論したいことが、どんどん自分の力で拡がっていく

もう一つ変わっているなって思うのが、これまではソロ天才型タイプの時代かなと思うんですよ。1人でアイデアを持ち、プロトタイプを作り、電子工作、グラフィック、映像、写真も1人で何でもできますっていう人が活躍したんだけど、これから出てくるのは、ネットワーク天才型だなと思ってて。

例えば私はアーティストとして制作してるんだけど、私、絵がすっごい下手で、写真も撮れないし、映像の編集もアマチュアだし。まあ、できないづくしだけど、私はアイデアを持っていて、Twitterを使って写真ができる人、音楽ができる人、グラフィックができる人、ファッションができる人っていうのを集めて、みんなでネットワークで作っていく。

だから、集合知的な、クラウドソース的な作り方でアートを創っているんです。それもちょっと、今の新しい動向なんじゃないかなと思ってます。

やっぱりもっと議論をしなくちゃいけない、望ましい未来を考えるには、もっともっといろんな未来を考えて、話し合わなければいけないってときに、じゃあ、もっと議論したかったら、もっとポピュラーにしようよ。もっとポピュラーにするんだったら、もっとソーシャルメディア、おじさん達の大嫌いなソーシャルメディアをもっともっと活用して、もっと自分のアイデアを拡げていこうよっていうのが、私の思いなんですね。

『はみだす力』スプツニ子

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【努力=天才は間違いだった?!】“シェア”から生まれた「新・天才像」って? - Be inspired!

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