商品を買う、商品を売る。私たちの日常生活の中でごくありふれた行動ですが、サービス提供者は「お客様にいかに気持ちよくお金を払って頂くか?」という工夫をこらしています。今日はそんなお話です。
アーケードゲームのクレジット音
先日、Twitterでこんなツイートを見つけました。
新人の頃にアーケードゲームを作っていた先輩にクレジット音の重要性を訥々と語られた事があった。「お金を払う」というマイナスの行為を快感に変えてしまうくらいの力が必要とされる、ものすごく重要な要素なんだろうと思う。(@Nao_u_)
これは、ゲームセンターなどに設置されているアーケードゲームの開発をされている方のツイートです。
ゲームセンターでゲームを始めるときは、必ず先にお金を払います。100円とか200円とかをコイン投入口に入れると、ゲームがスタートします。クレジット音というのは、コイン投入口にお金を入れた時に流れる音のことで、これがアーケードゲームを作るときには凄く重要であると言っています。
「お金を払って」買うという行動は、痛みを感じる不快な行動である
お金を払うというのは、マイナスの体験です。見返りなくお金をあげたり、理由なく寄付をする人が多くないことからも、日常体験としてわかるかと思います。お金というのは、ある種のエネルギーですから、そのエネルギーを失うことを恐れるのは、人間意識の中に常に存在しています。
何かを”買う“という行動は、お金を払うことでそれ以上の価値が得られるのが大前提ではありますが、痛みは痛みなので、より多くの人に商品やサービスを買って頂きたいサービス提供者はこの痛みをできる限り軽減してあげる必要があります。
痛みの先に得られるもの
アーケードゲームの場合は、この痛みの解消をクレジット音で軽減しています。
クレジット音は、ゲーム内でお金を入れたときにしか聞けない限定サウンドであり、お金を入れるという行動をした人だけが聞けるという体験を与えます。
また、ユーザーが一番始めに受けるゲーム体験なので、かっこ良くしたり、ゲーム内のキャラクターに喋らせてみたり、これから始まるゲームプレイへの興味や期待を高めるためにクオリティにも工夫が凝らしてあります。
アーケードゲームにおけるクレジット音のように、このようなちょっとした違いが売上に大きな違いを生み出します。
良い商品や体験とは、『こどもかぜシロップイチゴ味』である
こどもかぜシロップイチゴ味って、これです。風邪をひいたときに飲むお薬シロップです。
子供は大人と違い、快不快でより強く判断しています。そのため、使えば効果があり子供自身に必要なものだったとしても、その体験が不快であれば、やろうとしません。
一般的に薬は苦くてできれば飲みたくないものですが、この苦い薬と甘いシロップを組み合わせることで、薬効という効果がありつつ、甘くて美味しいという体験を付与しています。
池田模範堂 ムヒのアンパンマン こどもかぜシロップ イチゴ味の口コミランキング情報をチェック!口コミランキングGOGO!
こういう商品はよく売れます。購入者の声や口コミを見ても高評価ですよね。
よく売れている商品やサービスには、このようなちょっとした工夫がこらしてあったりします。これは良いなと思ったものは、よく観察してみると勉強になりますよ。
マイナスの体験は、プラスの体験と組み合わせてみる。覚えておいて下さい。
また、テレビドラマJIN-仁-に学ぶ、失敗しないIT起業の進め方のあんどーなつの話も参考になりますので、よければどうぞ。