【テレビドラマJIN-仁-に学ぶ】スタートからマネタイズまで失敗しないIT起業の進め方

JIN<仁>というドラマを知っていますか?2009年と2011年に放映されたテレビドラマです。

最近再度見る機会があり、IT起業と通じるものを感じたのでご紹介したいと思います。

JIN<仁>ってどんなドラマ?

現代の脳外科医である南方仁(主人公)は、ある日、幕末の江戸時代にタイムスリップしてしまいます。

仁は医者として自分の持っている医療知識や技術を駆使して、当時不治の病とされていた江戸の人々を次々と助けていきます。

はじめは、現代に戻りたいという気持ちを抱えながら、自分と関わりを持った人達を助けていた仁。しかし、江戸の人々を助けていくうちに、自らがこの時代でなすべきことを感じ、”仁友堂”という病院を立ちあげます。

①『仁友堂』の創業期

仁友堂は、南方仁と橘咲(仁の助手であり、物語のヒロイン)を含む計5名の医者で立ち上がりました。これが起業の段階です。

江戸の町の人のために診療を行っており、診療費も請求はしていたようですが、お金を持たない患者さんからは診療費を受け取らない完全なボランティア状態。当然売上も立たないので、そこで働くお医者さん達も完全に無給。

劇中で、売上は内科専門の福田先生(5名のうちの医者の1人)に頼りっきりだと、南方仁は話しており、またヒロインである咲が自分の着物を質に入れ、仁友堂の運転資金を調達する姿(健気ですね><)も描かれており、金銭的にはかなり厳しかったようです。

起業のプロセスの視点で見ると、この時期は『今自分が持っているスキルを活かして、代行業を始めた状態』ですね。売上はほぼ0に近く利益も出ていない状態ですが、少しずつお客さんは集まり始めてきています。

②初めてのプロダクト開発『ペニシリン』

日々の診療を行なっていくうちに仁は、ある問題に気づきます。それは、『江戸時代は感染症で亡くなってしまう患者さんがとても多い』ということ。

現代において感染症を防ぐためには、抗生物質が必要なのですが、残念ながら江戸時代ではまだ発明されていません。

「抗生物質であるペニシリンがあれば、もっと多くの人を助けられるのに…」と感じている仁。

江戸時代での仁の心の師とも言える緒方洪庵に相談し賛同を受け、仁はペニシリンの開発に着手します。
同時に緒方洪庵はペニシリン開発の資金調達をする為に各所を飛び回り、当時の豪商にペニシリンの必要性を説明し、何度も何度も頭を下げて周ります。

緒方洪庵の情熱的な支援の中、仁と仲間は試行錯誤を繰り返し続け、やっとの思いでペニシリンの生成を成功させます。その後、緒方洪庵はペニシリンの成功に安堵したかのように、この世を去ってしまいます。

起業のプロセスの視点で見ると、この時期には2つの大きなことを行なっています。
一つは、”日々お客さんと向き合うことでお客さんが抱えている問題を見つけた“こと。

もう一つは、”お客さんが抱えている問題を解決するために、商品開発を行った“こと。商品開発が上手くいくかどうかは挑戦してみなければわからないことですが、忍耐強く試行錯誤したこと、そして周囲の人達の協力を得られたのが商品開発成功の大きな要因になっていることは間違いないでしょう。

③『あんどーなつ』の開発

ペニシリンの生成に成功した仁友堂は、江戸の町に広く知れ渡り集患も順調だったようです。そんな時、咲の母が脚気(かっけ)の病にかかります。脚気の原因は、ビタミンB1不足であり、治療するためにはビタミンB1が豊富な食品が必要になります。

仁友堂は脚気の治療に必要なビタミンB1を補給する食べ物として、あんどーなつを作ります。あんどーなつは、美味しいお菓子で脚気の治療薬になるという触れ込みにより、江戸の町で広く販売されるようになります。

起業のプロセスの視点で見ると、この時期は2回目のプロダクト開発になります。今回も、お客さんが困っていることを見つけ、その解決の為にあんどーなつを開発しています。

あんどーなつという商品には、①脚気治療の薬という機能的価値②美味しいという感性的価値③お客さんが普段身近に食べている菓子という市場である、という3つの特徴を持っており、これは売りやすい商品の条件を満たしています。

その結果、あんどーなつは江戸の町で広く販売され、仁友堂の認知向上と共に、収入の大きな柱になったと考えられます。

④売れ筋商品『ペニシリン』のライセンス供給開始

物語後半では、仁友堂はペニシリン生成レシピと生成認定証の配布を始めます。

これにより仁友堂以外の多くの病院でも、ペニシリンを生成できるようになりました。ペニシリンが日本中で普及すれば、多くの感染症で亡くなる患者さんを救うことができます。劇中では、この事が原因で発生するトラブルも描かれていたりします。

起業のプロセスで見ると、この時期にはペニシリン生成のレシピと生成許可証を発行することで、毎月一定の定期収入を得ていたと考えられます。
この状態になると、『自分が何もしなくても毎月一定の収入を得ることができるので、自分の本当にやりたいこと(仁の場合は、診療や治療、遠征など)に専念できるようになります。

JIN<仁>に学ぶIT起業を失敗させない3つのポイント

①起業当初から、売れ筋商品があったわけではない。

売れ筋商品である、ペニシリンやあんどーなつは起業当初からあったわけではありません。

これらの商品は起業当初からあったわけではなく、自分がビジネスを始め、日々お客さんとやりとりする中でお客さんの問題を発見し、その解決策として生まれています。

このことから「商品がないから起業できない」というのは大きな問題ではないことがわかります。始めの商品は『今の自分ができることが立派な商品』です。より良い商品は、自分が日々お客さんと向きあう中で生まれていくのです。

②お金を稼げるようになるには『無給で働く時期』が必ず存在する。

最終的には何もしなくても収入が得られるようになりましたが、決して始めからそうだったわけではありません。創業期であるはじめの段階では、完全な無給状態です。

また『何もしなくても収入を得られるようになろう』と思って、仁は病院を立ち上げたわけでもないでしょう。

はじめの段階においては、『自分ができることは何か? 自分が今持っているもので、役に立てることは何か?』という自問自答の中から、自分がやるべきことが生まれているのがわかります。

③『サポートしてくれる仲間』の存在

そして、絶対に欠かせないのが仲間の存在です。仁が持つ圧倒的な医療技術を目の当たりにし、技に憧れる者や、仁が助けた患者、仁の人柄に惹かれる者など多くの人間が、仁の日々の行動を見て、信頼を寄せていきます。
私利私欲ではなく、仁の志に共感したからこそ、多くの人々が協力をし成功していったことがわかります。

まとめ

IT起業の成功と共通する3つのポイントを説明しました。これら3つのポイントを実現するために絶対に必要なのが、続けること(継続性)です。

そして、成功のポイントでも見たとおり、続ける過程には必ず無給の期間が存在します。だからこそ、ビジネステーマに選ぶものは『自分が本当にやるべきだと思ったこと』が重要になってくるのです。

テーマを選ぶときは『無給でも続けられるかどうか?』この質問を自分に投げかけてみて下さい。この答えがイエスであり、始めは収益化が難しくとも、このビジネスは必ず他の人の役に立つとあなたが信じられることであれば、やらない理由は何もありません。

それがあなたのやるべきことです。無給ですから、他の仕事もやらなければならないかもしれません。そうなると、時間をあまりかけられないかもしれませんが、ぜひ今できることから始めてみて下さい。

仁のこの話に見たとおり、新しいことを始め、継続していけば、今はまだわからないチャンスが必ず見つかります。小さくても、自分の足で1歩前へ歩き出して下さい。それはあなたの決断1つで変えられることです。

余談ですが、このドラマのテーマでもある『仁』は、思いやりや情け、慈しみという意味で、自分だけではなく他者と親しみ、思いやりの心を持って調和を実現しようとする思想です。

IT起業の成功においても、この思想はとても的を得ている考え方です。一時の短期的な成功をゴールとするのではなく、長期的視点を持って、自分のビジネスを創っていくのが最もリスクが低く、成功確率の高い起業のプロセスです。

自分が何をするべきかわからなかったり、起業へのやる気が下がってしまった時には、ぜひJIN(仁)をご覧になってみて下さい。きっと、忘れかけている大事なものを思い出すきっかけを与えてくれますよ!

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