『ココナラはどうやって初めのお客さんを集めたのか?』ココナラ創業者南章行が語った起業における集客のコツ

500円でスキルや得意が売れるマーケットプレイスココナラの、創業時の動画が公開されていましたのでご紹介します。コンセプトメイキングから、初期のユーザーをどうやって集めていったか、など具体的なポイントがわかりやすく語られています。

ココナラ起業スタート

とにかくまずは、コンセプト。ビジネスコンセプトが良いことが大前提。

ココナラの立ち上げの方法ですけど、当然立ち上がるからにはちょっと自分で言うのも恥ずかしいんですけど、ビジネスコンセプトがいいことが大前提になるんだろうなと思ってます。

当然のことですが、コンセプトがダメなら、そもそもそのサービスはニーズがないので成長していきません。現在の市場環境や見込客のことを考え、必要とされるコンセプトをまず発見しなければなりません。

これはウェブサービス開発以前の問題ですが、コンセプトには創業者個々人の起業における目的や価値観が色濃く反映されるので、とても重要な部分です。

USPは『500円という定価を決めた』こと。

コンセプトが違っていれば立ち上がらないっていうところでいくと、僕らの一番大事だったところ過去似たような類似サービスが上手くいかなかったけど、僕らが出来たというところの一番のポイントは500円均一にしたというところに尽きるかなぁと思っています。

取引の際の重要な要素の一つである価格が定価として決まったことで、購入者にも出品者にも安心感が生まれます。

カタチが見えないサービスを売れる商品にするために、出品者、購入者の心理を徹底的に考える

やっぱりものではなくてサービスなので、こちら側が値段を決めてあげないとなかなか出品する人もいくらでやったらいいか分からないし、買う側も値段がバラバラだとなかなか買いにくいってありますよね。

例えば恋愛相談サービスがあったときに、一つが100円、一つが3,000円となっていたら、どっちに頼んでいいか分からない。

僕らはこれは定額じゃないと立ち上がらないというコンセプトで走ったというのがすごく良かったのかなと思ってます。

購入者視点で言えば、

  • 『こんなものが、500円で買えるの?』
  • 『500円なら試してみるか』
  • 『500円なら最悪失敗しても、しょうがない』

など、購入者のベネフィットを高めつつ、安全性を護る役割を価格が果たしています。

また、出品者にとっても、

  • 『今まで無料でやっていたけど、500円なら売れるかも』
  • 『500円なら、こういうサービス、このぐらいのサービスかな』

と、価格の制約が生まれたことで新しい商品を考えやすくなります。試験においても、最も難しいのは白紙の答案用紙が1枚だけという状態なので、枠組みを与えることでユーザーが行動する敷居を下げたというのは、大きな成功要因です。

さまざまな人がいる。だからこそ、はじめに良い出品者を集めることが重要に。

それをふまえて何をやったのかということなんですけども、まずは良い出品者を事前に集めていた、というところがすごく力を入れたところです。

やっぱりC to Cのマーケットプレイスなので最初の空気感というのがすごく大事なんですね。機能だけをリリースしてあとどんなサービスを出します、っていうのをですねユーザーに任せてしまうと、結構人によっては大喜利のようにふざけたサービスを出してみたりとかするんですよね。

それ自体は極めて自然なことだと思うんですけど、そうしてしまうと、おもしろい、ウケを狙ったサービスがいっぱい並んでいるプラットフォームだと、後からくる人って必ず同じ様な形で、「あ、こういうサイトなんだね」ということで面白いサービスを出そうとするんですが、最初にあるサービスがものすごく一生懸命で人のために役に立とうというものが並んでいたら、自分もやっぱりそういう空気感を壊そうと普通は思わないので似たようなレベル感のものを出そうとする。

人間というのは、新しい場所、初めての場所に来たとき、その場の環境や既にいる人の行動を観察し、必然的にそれに合わせる行動をします。なぜなら、それが最も自分にとってリスクが少ない選択だから。

そのため、事業においても、一番初めに『ここは、こういう場所なんです』と提示できることが大切になってきます。事業者、サービス提供としてはこの部分のコントロールをないがしろにすると、あらぬ方向に事業は進んでいってしまいます。

あるコミュニティのレベルは、はじめに集まった人次第ですべてが決まる

こういうコミュニティというのはレベルが下がっていくことは簡単にできるんですけど、レベルを上げることってものすごい難しいんですね。なので、最初にいかにレベルが高い出品者を集めておくかっていうのがすごく重要になってきます。

インターネットには様々なコミュニティがあります。趣味であったり、仕事であったり、機能の違いであったり。似たようなサービスなのに、盛り上がっているところもあれば、全然盛り上がっていないところもある。

その違いというのは、表面的な機能の違いではなく『そこにいる人達の違い』です。いろんな人がいるからこそ、そこにいる人達がどういう人達で、どういう行動をしているかが価値のあるコミュニティの根幹なんですね。

だからこそ、『はじめに誰を集めるか』が重要になってくる。はじめに集まった人が、そのコミュニティの性質を決めるからです。単純にいきなり多くの人を集めようとして失敗するのは、はじめに集まった人がそのコミュニティに対して情熱を持たないからです。

ココナラ立ち上げ時、一番初めの初期ユーザーをどうやって集めていったか?

β版を二ヶ月運用していて、その間にいろんな方に声をかけた。いろんな方といってもほとんど7割、8割が我々創業メンバー三人の友人。

具体的な数字を言うと約1000人に声を掛けました。1000人に一通一通メールを出して、そのうち400人がβ版に登録していただいて、そのうち200人がサービスを出品していただきました。

共同創業者3名の友人をツテに、一人一人メールを送って、1,000人に声をかけたとのこと。

1,000人(にメールで連絡したら) ⇒ 400人(がサービスに登録して) ⇒ 200人(が出品者になる)

という集客モデルだったようです。アクティベーションフローにおける会員登録率が40%、その先に出品者として進んだ方が20%ですから、初期サービスの立ち上げにおいては非常に効果的なユーザー獲得戦略だったことがうかがえます。

30代,40代と平均年齢が高い創業チームであることの大きな強みは人脈があること

我々もそれなりに年齢をいったチームなので、友人もそこそこビジネスの経験が豊富だったり、趣味とか人生経験が豊富なメンバーだった。

そういった方々が一番自分が得意なことで誰々の相談に乗りますよという風に出してくれたことで、世に出た時にはそれなりのクオリティのものがそろっている状況を作れた。

それがすごく大事だったのかなぁという風に思います。

ココナラのようなCtoC型のサービス、事業の場合、プラットフォームである場の提供と、そこで行われる活動のマッチングが重要になってきます。

そのためには、まずはココナラに出品をしてくれるユーザーがいてこそ。始めの段階で行動した200人の方がいたからこそ、今のココナラがあるわけですね。

ライフネットを参考に、サービスリリース前にイベントで自分の想いを語った。

事前にイベント等を通じて語り部を作った。ここがすごく重要なポイントだったのかなぁという風に思います。先ほどライフネットに立ち上げの話を聞きましたということがあったとは思うんですけど、ライフネット流のストーリーマッピングですね。

出口社長、岩瀬副社長がすごく自分たちの想いを語って、ユーザーさんがついてきているというライフネットを参考にしてやりました。

ココナラのウェブサービスリリース前に、各種イベントなどで告知や立ち上げに関する自分たちの情熱や思いを語っていたそうです。

所感

このココナラの起業時の解説動画、2014年にスクーで公開されているんですが、2年後の今も動画再生回数が7回と何とも寂しい状況…。とてもわかりやすく話されているので、ぜひ見てみて下さい。

これからもココナラの成長が楽しみですね。

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