売り始めるときに知っておきたい『成功するすべての会社が知っている20のルール』

起業の成功において避けては通れない重要なポイントがいくつかありますが、その中でもダントツに重要なのはマーケティングです。マーケティングの世界で知らない人はいない、ダイレクト・レスポンス・マーケティングの祖レスター・ワンダーマンは、自身の経験を『成功するすべての会社が知っている20のルール』としてまとめています。

古の知恵

レスター・ワンダーマンが提唱した『成功するすべての会社が知っている20のルール』

ダイレクト・レスポンス・マーケティングの祖であるレスター・ワンダーマンが提唱した「成功するすべての会社が知っている20のルール」は、ワンダーマン自身が試行錯誤を繰り返し発見した、成功するダイレクトマーケティングのための実践ルールです。

以下、電通ワンダーマン(DRM/CRM)より引用です。

1.ダイレクトマーケティングは戦術ではなく戦略である

ダイレクトマーケティングは、クーポン付き広告でもなければ、フリーダイヤルを喧伝するコマーシャルでもない。DMでも電話でもなければ、プロモーションでも、データベースでも、ウェブサイトでもない。価値ある顧客を獲得し維持しようとするコミットメント(強い関与への意志)である。

2.主役は製品ではなく、消費者でなければならない

製品はそれを使用する消費者ひとりひとりのために価値を創造しなければならない。消費者に共通する要求ではなく、人によって異なる要求を満足させなければならない。産業革命では、生産者が「これは私が作ったものです。要りませんか」と呼びかけたが、情報時代では、消費者が「私はこれがほしい。作ってください」と要求する。

3.個々の顧客や見込客に対し、一人の対象としてコミュニケーションをとる

製品やサービスと同様、広告も消費者それぞれのニーズに適切に応えるものでなければならない。一般広告も、よりターゲットを絞ったダイレクトマーケティングも、どちらも総合的なコミュニケーション戦略の一部でなければならない。

4.「なぜ私に?」に答えること

見込客や顧客が抱くもっとも危険な疑問は、「なぜ私に?」である。この疑問を一度ならず抱くかもしれないが、それをあなたに伝えることはない。製品とそれを様々なコミュニケーションで伝えることによって、顧客の理性と感性の両方を納得させる答えを提供し続けなければならない。

5.広告は消費者の認識・態度だけでなく、行動も変えなければならない

消費者が好ましい認識・態度を持ったからといって、販売に結びつくほんの一部分が満たされたにすぎない。利益を生み出すのは、問い合わせ、製品の試用、購買、反復購買など、計測できる消費者の具体的な行動である。

6.次の段階・利益を生む広告

広告の成果は、ますます測定可能になっており、いまや計測できなければならない。広告は単に好意を形成するだけでなく、利益を得るための投資にならなければならない。

7.「ブランド体験」を作る

顧客にとってブランドは、個々のニーズを満たしてくれる体験として理解でき、感じられるものでなければならない。パッケージから店頭購入、再購入、アフターサービス、コミュニケーションにいたるまですべての面で継続的に深い満足を与えるものでなければならない。

8.関係を創造する

関係は育ち続けるが、偶然の出会いは育たない。買い手と売り手の関係が良好であればあるほど、利益は大きくなる。

9.個々の顧客の生涯価値を知り、投資する

ある自動車ディーラーの計算によると、ひとりの顧客にその一生を通じて販売する自動車の総額は、33万2千ドルに相当するという。マーケターは製品やサービスをまかされたら、このような生涯にわたる忠実な顧客を創造するためにはどのくらいのコストをかけるべきか、知らなければならない。

10.「サスペクツ」[不確定見込客]は「プロスペクツ」[見込客]ではない

「見込客」は、購買する能力と感情と意思を持つ消費者であるが、「不確定見込客」はこれらの要素をほとんど持ち合わせていない。見込客とのコミュニケーションは販売コストの軽減につながるが、不確定見込客とのコミュニケーションは広告費を増大させる。

11.メディアはコンタクト戦略である

大切なのはメディアから得られる測定可能な結果であり、露出量ではない。「リーチ」(累積到達率)や「フリークエンシー」(平均視聴回数)は、時代遅れである。関係構築を始められるのは、「コンタクト」(消費者との接触)のみである。

12.顧客にアクセスできる体制をとる

顧客のためにつねに待機していること。彼らのデータベースとなり、情報源となり、できるだけ多くのコミュニケーション手段を通じてサービスを提供すること。顧客はあなたに到達できなければ、何が必要か伝えることもできない。

13.勇気を出して双方向の対話を始める

消費者に対して一方的に話すよりも、彼らの話に耳をかたむけること。つまり、ひとりひとりのニーズについて、彼らの口から「宣伝」させるというあなたの対応は感謝されるだろう。一方通行の広告から、双方向の情報共有に改めなければならない。

14.言葉には出なかった「いつ」を学ぶ

「今は買わない」という解答は、「これは要らない」と同様、広告にとって危険である。いつ買う気になるか知っているのは消費者だけであり、もしも正しい方法で尋ねれば、それがいつになるのか教えてくれる。

15.広告カリキュラムをつくる

「カリキュラム」とは一度に一つの「ビット」の情報を教える学習システムである。個々の広告メッセージ(ビット)は、前回学んだ情報のうえに積み重ねられる。それによって、なぜ勧めている製品が優れており、なぜそれを買うべきなのかを消費者に教えることができる。

16.ロイヤリティ[忠誠心]を高める意図のもとで顧客を獲得する

プロモーションは製品の試用を促しても、ブランドに対する継続的なロイヤリティを高めることはできない。絶対にロイヤリティを持つようにならない間違った顧客を引きつける場合もある。正しい顧客は、プロモーションが提供するオファー(おまけや特典)ではなく、製品自体の価値によって説得、獲得されなければならない。実際、正しい顧客は競争相手にとっても最良の顧客となる可能性がある。

17.ロイヤリティは継続的なプログラムである

「すべての面で満足している」顧客が離脱することは、まずない。単に「満足している」だけの顧客は、前触れもなく離れる可能性がある。継続的な関係を構築するためには、優良顧客に対して(前回の購入、使用行動、関係の長さなどの情報の)保有内容に応じた優遇措置を提供すべきである。優遇措置を提供すれば、競争相手が最良の顧客を「奪いとる」事態を避けることもできる。

18.マーケットシェアではなく、ロイヤルな顧客のシェア拡大が利益を生む

すでに確保している優良顧客にもっと金を費やすこと。ほとんどの企業では、利益の90パーセントは反復購入してくれる顧客がもたらしてくれる。新しい顧客を確保するには、既存の顧客をつなぎとめようとする場合の6倍から10倍の経費がかかる。

19.あなたの価値は、持っている知識の量によってきまる

データの収集は支出をともなうが、それによって知識を得られれば儲け物だ。情報となり得るデータのみを集めること。それがひいては知識となる可能性がある。知識があってこそ、成功が約束され、失敗が最小限にくいとめられる。企業は、持っている知識の範囲以上の存在にはなり得ない。

20.会社は聞くべきだ

あなたから話し続けるのではなく、語るのと同じくらい聞くべきである。そこに対話の鍵がある。

レスター・ワンダーマンのこれら20のルールは、新規事業開発の事業設計や個人の起業においても、ありとあらゆる部分に影響を及ぼすものです。

起業や事業開発には日々様々な意思決定が求められますが、迷った時はこれらのルールを基に、『どうあるべきか?』から決めていけば成功確率は高まっていくでしょう。一つ一つは当たり前とも言えるほど単純なルールもありますが、これはまさしく本質です。何度も読み返すことで、多くの気づきを私たちに与えてくれます。

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