先日リリースした「ココナラはじめて物語 〜好きを叶えたフレブルの教え〜」は、ココナラで活動している様々なクリエイターさんと協力し、ココナラに関する書籍を作り、ココナラで販売するプロジェクトの一環で生まれたものです。
『一度も実際に会うことなく、完全にオンラインだけで企画からプロダクトリリースまでするようなコラボレーション』
は初めてでしたので、私なりに気づいたことをまとめておこうと思います。これから、オンラインでコラボレーションをして何かを創りたいと思っているスターターの役に立てば嬉しいです。
コラボが失敗するありがちのパターン
- コラボはまったく知らない人だと無理。モノを作って募集とかしてもよほどの求心力がないとダメ。重要なのはそこではない。
- コラボするんだったら、出品者同士のコミュニケーションにもっと特化する必要がある。
- バンドメンバー募集や漫画家と原作者の相方募集、コラボレーター募集の掲示板といった、各々が不足している能力ベースだけのマッチングでは、まずうまくいかない。これはコラボ(協力)ではなく、ただのリクエストになりがち。
コラボをするときのリスク 〜ココが難しいトコロ〜
- オンラインだけで繋がったメンバーだと、いくらでも途中で連絡が取れなくなる。途中で辞める言い訳(本業が忙しいとか)もたくさんできる。だから、一緒に何かやろうと思っても、こういう不誠実さがあると難しい。過去に、noteでも試したことがありますが、あまりうまくいかなかったので今回はその反省点を活かすことに。
- 「誰がコラボのリスクを取るのか?」を明確にする。これはWebサービスの機能の問題ではなく、ユーザーである人間同士の問題になる。
- コラボの機会となる初回の接触時に、今後につながれるような意識改善を一人一人がすればいいが、これはかなり個人差が大きい。個々人のリスク許容度に大きな差がある。
今回、コラボが成功した理由
- コミュニケーションをする過程で『この人ヨサソウ!』と思うことが始まりだった。
- 『良い出会い方』をすると、話の流れで必然的にコラボを試してみたくなる。
- コラボ成功と失敗の分岐点は『どれだけ良い関係を築けるか』が勝負。
- リスクは企画者がとる。そうすれば、協力者にとっては通常の依頼と同様の扱いになるし、もし企画が成功したら様々なメリットを協力者は享受できる。(スタートアップのストックオプション的なもの)
- クリエイターとしてお互いに尊敬の気持ちを持ち、補い合える能力があったからできた良いチームだったと思っている。
制作は、具体的にどうやって進めていったか?
- はじめはDMで企画案を提示し、登場人物や世界観、プロット作成。ライターさんの意思確認や納期、金額を決める。
- その後、正式発注しトークルームにてプロトタイプを制作。期間は1週間。マイルストーン払いにしてリスク分散をした。
- 高額依頼だったので、開始前に突発的な事故などで連絡不達がないように、こちらの連絡先を伝えた。(※先方の強制ではなく、こちらが自発的に。クリエイターにとって一番嫌なクライアントは、どんな理由であれ依頼料を支払わないクライアントです)
- プロジェクトの進行はレスポンスがとても迅速で、リズムが良かった。これにより、企画者としても安心感が生まれる。
- 原稿が完成したら、ライターさんに全額支払いをする。
- 表紙作成イラストレーターを探して依頼する。
- 表紙と原稿を元に編集作業を行い、1次成果物を創りあげる。
- 挿絵作成イラストレーターさんとたまたま出会ったので、依頼。
- 挿絵を入れて、2次成果物作成。
- 校正チェックを行い、最終成果物作成。
- リリース!
企画・構想は2015年7月。リリースしたのが2015年12月上旬なので、なんだかんだで半年程度かかっている。様々なプロジェクトと平行して行ったので、そのうち半分程度は寝かしたようなもの。実質作業は3ヶ月程度。
ココナラ出品者同士が、コラボレーションをするためのストーリーアイデア
- 出品者は、出品しても売れなくて困っています。
- なぜ売れないかというと「自分で集客できない」からです。でも、アクセス解析はできないから、ほとんどの出品者にとって売れない原因は見えません。
- だから『出品者同士が協力し合うと、集客できるような状況』を創りませんか?
- 出品者は『よい出品者を応援し、それが自分の集客に役立つ』と嬉しいから行動します。
- 出品者同士のゆるやかな接点やコミュニケーションが増えれば『コラボレーションの土壌』が創れます。
(1と2について)いま、ココナラ出品者が困っていること
- 自分のサービスをより多くの方に知ってもらいたいが、自分で集客できない。
- だから、新サービスをリリースしても、まず売れない(=内容も大事だけど、そもそもアクセスがない)
- この対策として、新サービスをリリースした時に、既に関係性がある人達にお知らせを伝えたいが、手作業でDMを送らなければならない。(細心の注意を払って送っても、人によってはただのスパムだと認識する人も多そうで不安)
- ココナラ全体として、金額が500円と安価だからか、コミュニケーションを大事にしてないユーザーが多い印象を受ける。(突然連絡がなくなったり、評価なしだったり、プロフィールなどの情報を一切公開していなかったりする)
(3と4について)のサービス機能アイデア 〜おすすめサービス機能〜
- 自分の出品サービスページで、他の出品者のサービスをおすすめできる機能をつける。
- 自分が出品しているすべてのページに一括掲載される。これにより、出品者が出品数を増やすほど、推薦効果(送客力)が高くなる。
- 自分が実際に購入し、評価をつけたものだけおすすめできる。実際に買った証明のために自分の評価コメントを表示する。
- 他の出品者のサービスをおすすめするときは、自分の推薦文(一言PR分の160文字程度)が書ける。
- 推薦経由で購入されたときは、推薦者にインセンティブを与える。(ココナラポイントが付与されるアフィリエイトと同様のメカニズム)
- 推薦経由で購入されたときは、販売者に『誰の推薦経由で買われたか知らせる』ことで、お礼メッセージを贈るきっかけをつくる。
(5について)出品者としての欲求
- 他の出品者がどういう活動をしているか知りたい。
- 出品者も、購入者を評価したい。(正直、残念なお客さんも多い)
- 今までココナラ上で接点があった人(依頼主やお客さん、問い合わせ者など)が、その後何か行動したら(例えば、新サービス発表など)知りたいし、応援したい。
- その人が今までココナラで行った行動によって、自分が出品者になったときにちゃんとお返しが返ってくるような場所にして欲しい。まじめに実行している人が、巡り巡ってちゃんと報われる場所であって欲しい。
- その人が今までした行動は、お気に入りに登録する、ファンになる、評価を入れる、DMでやり取りする、などすべてを対象に。
- ココナラで知り合った良い出品者の方の応援をしたい。
マネタイズのちょっとしたアイデア
MMORPGなどのオンラインゲームでは、武器や防具といったレアアイテムや、そこで知り合った人との人間関係がプレイヤーの大切な資産であるように、ココナラで活動した時間や評価も大切な資産であると考えられる。これが貯まっているロイヤリティの高いユーザーは、そうそう別のサービスには乗り換えない。
具体的なユーザー行動としては、世界最長のMMORPGであるウルティマオンラインは1997年から現在に至るまでの17年間、月額課金制であるが、ワールド内に存在する”自分の家を維持するために”何年も課金し続けるプレイヤーも数多くいる。
『人が来てそこそこ売れるようになったお店を維持するため』なら、出品者はお金を支払う。集客がココナラで行え実際に売上が発生し、お店の売上からプラットフォーマーであるココナラへの支払分が拠出できれば問題はないし、必要なことだと思う。
但し、収益と同様にココナラという世界やサービスが好きという価値観に基づくため、ビジョンや世界観の維持は、とても大切な要因である。ココナラには、クラウドワークスやランサーズにはないものがある。
黒子として出品者同士の接点を増やす機会を提供する「幸せホテル」
プラットフォーマーが所有するユーザー行動の蓄積データを基に、マッチング精度を高める。ユーザー体験としては、「幸せホテル」は参考になる。
まとめ
- コラボレーションを促進させるのであれば、コラボレーションさせることを目的とした機能を作ってはいけない。(異業種交流会、お見合いパーティーなどの場だけセッティングしても無意味。本当に良い人はそういう場所にいない)
- コラボレーションが生まれるのは、お互いの気持ちや信頼関係がすべて。コミュニケーション頻度に基づく自発性が必要不可欠。プラットフォーマーができることは自発性を促す環境づくり。
- 日頃の活動で人間関係が生まれる接点(接触回数)を増やすことをKPIにする。(ユーザー行動に基づく、自然な出会いの提供。オフィスレイアウトの導線設計などは参考になる。コピー機やプリンタなど待ち時間が発生する場所は会話機会の提供である)
- おすすめサービス紹介機能で、出品者同士が協力し合える機会を提供する。出品者にとって、自分のサービスの集客を手伝ってくれる人は本当にありがたい存在。
- ココナラ内での活動はユーザーにとっての大きな資産。資産蓄積した者は、そうそう外部には流出しない。むしろ、その蓄積した資産を維持するためにお金を支払うようになる。
- マッチングを行う役割においては、「幸せホテル」のストーリーやユーザー体験は参考になる。
ココナラさんに聞きたいこと
- なぜ、出品者が購入者を評価できない仕様になっているのか?
- ココナラマスターはどうなるの?
- 月額最高額のジャンルは?
私の経験をまとめると、このような感じでした。ココナラには、デザイナー、イラストレーター、ライター、エンジニア、声優、占い師、ビジネスマンなど様々なスキルを持った方が多数いらっしゃいます。
何かをカタチにしようとするとき、自分一人ではスキルがなかったり、モチベーションが続かなかったり、様々なことが原因になってなかなかできないものですが、ココナラを使えば、ちょっとしたアイデアでもカタチにしやすくなります。
アイデアがある方は、ぜひ少しずつでもカタチにしてみてはいかかでしょうか。私にとってココナラとは、人と出会い、アイデアを実現する場所であると思っています。
私もココナラで様々なサービスを提供しています。あなたのアイデア実現の力になれることがあれば、ぜひお気軽にお声がけ下さい。