「noteが過疎だと言われる理由とその対策」に見るリリース直後のWebサービスで起こること





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本記事はnoteがリリースされて数日後の2014年4月25日に書いた考察記事です。noteで有料販売をしていましたが、掲載後1年が経ちましたので無料で公開します。

Noteで届ける

はじめに

一部のnoteユーザーの方が書かれているnote過疎に関する記事を拝読しました。ウェブサービス開発者としての経験から、今までnoteを使ってみた私なりの考えをまとめてみたいと思います。

結論から言えば、現在のnoteは「導線がまだ整っていないだけ」です。

導線ができていない理由は、大きく3つあります。

1.コンテンツ共有(リツイートやシェア)機能がない。

これは多くの方が指摘されています。TwitterやFacebookにメディアとしての拡散力があるのは、

「良いものをみつけたら、仲間にも共有したい。」

という人間の根本的な欲求を満たしているからです。

現状のnoteはTwitterやFacebook以上に素晴らしい作品が溢れているにもかかわらず、簡単にシェアすることができません。これでは、余計にフラストレーションがたまります。ユーザー体験としては蛇の生殺しに近しいものです。

noteでシェアするには手動シェアしかなく、「良い物を見つけたとしても、それを自分の仲間に知らせるためには、コメントやノートを手動で書く」という一手間があるため、なかなかシェアされません。この手動シェアの手間と1クリックできる手軽さでは、情報の拡散性に圧倒的な違いを生みます。

2.ノートの賞味期限は、中身がどんなに良くても3日間。

前述したコンテンツ共有機能がないことで、せっかくクリエイターさんが頑張って作品を創り、そのノートをフォロワーさんに告知したとしても、時間の経過と共にノートへのアクセス数は減少します。

これがブログの記事なのであれば、時間経過したとしても、検索エンジンからの安定的なアクセスが見込めます。また、TwitterやFacebookのようにコンテンツ共有をする仕組みがあれば、時間差を伴ったシェアやリツイートもあるので、より長期間のアクセスが見込めます。

しかし、noteはフロー形式の情報設計なので、時間の経過とともにアクセスするための導線が消えます。そのため、記事の内容にかかわらず賞味期限があります。このノートもそうです。

現在この賞味期限は体感的には3日程度で、賞味期限を少しでも長く伸ばす方法として有効なのが、目次作成です。

目次を作り、自分のプロフィール欄から目次ページへリンクを貼っておけば、あなたに興味を持った人があなたの過去の作品を見やすくなります。

この導線1つを作るだけで、継続的なアクセスが流れやすくなります。これをやっているAさんには、少しずつでも確実に人が集まります

対して、改善をしないBさんは、時間が経ちフォロワーさんのタイムラインからノートが消えると、アクセスも自動的に消えます。Bさんの過去記事は一部を除き、ほとんどアクセスされることはありません。

当然、投げ銭を求めた記事でも、投げ銭はほとんどされません。そもそも見ている人がいないので、そういう結果になるのが自然です。これらは、現状でもダッシュボードのアクセス解析のデータを見れば、一目瞭然かと思います。

「どんなに一生懸命作品を創っても、すぐに賞味期限が訪れる。」

インスタント食品になってしまうのでは、頑張っているクリエイターであればある程、大きな不満の原因になるかと思います。

「Noteをギャラリーのように使いたい」と思っているクリエイターさんもいるようです。ギャラリーのようにストック的に使うためには、タイムライン以外の導線が必要不可欠です。

3.カテゴリやタグ、検索機能がない。

コンテンツ共有だけでなく、情報をフローからストックに変えるために有効なカテゴリ機能やタグ機能、検索機能がnoteにはありません。

カテゴリやタグがあるだけでコンテンツへのアクセスの流入は随分改善されますが、このような機能は後から追加できるため、サービス提供者としては実装の優先順位は低かったのではないかと推測しています。

だからといって、今後も付けないわけではないと思います。(確か検索機能は実装予定ですよね)このあたりの意思決定は、サービスの世界観とのトレードオフがあるので、noteのゴールを強く意識した上で決めるはずです。あれば情報設計的にはOKだけど、これらがないからこそ、今のnote独自の世界観や体験が得られるというメリットもあります。

シェアやリツイート機能がなければ、そういう機能が欲しいと言われますし、付けたらつけたでTwitterやFacebookっぽくなったように見え、noteらしさがなくなったという意見が出てくるのはこの世界の自然の摂理です。

これは単に機能のあるなしではなく、現実的な利便と創造のための不便の「どちらに向かうのか?」という選択の問題です。どちらが正しいかはわかりません。

ただひとつ言えることは、後者はサービス運営者にとって間違いなく茨の道です。しかし、もしこのルートを選択し結果を出せれば、noteは日本から生まれた革新的なオンラインサービスになれるでしょう。なぜなら後者はシリコンバレー思想の模倣ではなく、真逆の価値観を提案するという意思表明に他ならないからです。

この考察の結論

現状のnoteは、お店の入口が1つしかないことが問題の根本原因です。

一つの入口というのは、あなたフォロワーさんのタイムラインです。これがあなたのお店の一番大きな入口になります。但し、この入口は時間限定です。あなたがノートを投稿した直後からせいぜい3日程度だけ開かれる入口です。

あなたのお店の入口が開かれているとき、たまたま入ってきてくれた人が、幸運にもあなたに興味を持ってくれれば、プロフィールページや過去の作品を見てくれるかもしれませんが、noteにはあなた以外にも素晴らしいクリエイターさん達がたくさんいます。

そういう場所で、あなたのページを見るために時間を使ってもらうというのは、簡単なことではありません。当然、見られる人(=PVが得られる人)は、その人自身のバックグラウンドが興味深かったり、人を集める企画ができたり、美しい絵や写真、テキスト、サウンドなどをオリジナルコンテンツとして出せる人に限られてきます。

大変厳しいことを言えば、noteはSNSの中では非常にシビアなSNSになると思います。自らコンテンツを創り出せる人にはさまざまな人やモノ、お金が集まりますが、消費者としてただ傍観している人にはこの空気は耐えられないかもしれません。

後者の人達は、そうそうにnoteから距離を置くようになるでしょう。その結果、リリースボーナス期間を経て、継続的にnoteを使うことを真剣に検討しているユーザーだけが残っているフィルタリングの時期に入っています。

これが、一部の人から見れば、”過疎に見えるのかも”しれません。

noteは、アイデアからリリースまで3ヶ月程度で創られたサービスであると耳にしました。誰かの頭で生まれてから、まだたったの3ヶ月です。初めの段階から厳密な導線設計がされていなくても、サービス開発者の視点で言えば仕方のない部分があります。

サービス開発者は、ある程度の設計はもちろんしますが、これらはすべて”仮説”です。実際にユーザーさんに使ってもらい、アクセス解析やユーザーのみなさんの行動の結果をみて、それから道はできていくものなのです。

現状のnoteは「道がないから、人が来ないだけ」の話です。

noteのどこに道がひかれるかは、noteを使っている一人一人の行動で決まっていきます。道がないからといって、道の先に素晴しいものが存在しないわけではないですし、その先に素晴らしいものがあるのであれば、道ができた途端にたくさんの人が訪れるようになるはずです。自らの感性で価値判断ができる賢い人達は、みんなが見向きもしない時期に力を蓄えているのは世の常です。

誰の格言かは忘れましたが、たしかこんな言葉がありました。

空き地に道を作ろうとするとき、どこに道を作るべきか最初に決める必要はない。しばらく待ってから人が歩いた場所を確認し、そこを道にすればいい。

noteを使う、使わないは個々人の判断ですから、自分の意志で決めれば良いと思いますが、あなたが問題だと感じている原因は改善される余地があるということも忘れないで下さい。

本記事が、noteで頑張る優秀なクリエイターの気づきになったら嬉しいです。







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