低リスクで自分のアイデアを形にするWebサービス開発マニュアル

今日は、私がWebサービスを企画、開発するときに使ってるマニュアルを公開します。

このドキュメントはいつ使うのか?

何か良いアイデアが思いついて、実際にサービス開発を始めるとき。

なぜ、この手順で行う必要があるのか?

人に使われないサービスを創らない」ようにし、「人に使われるサービスを創る」ためです。

サービス開発においては作業順序が違うだけで、サービス構成要素の優先順位が変わってしまい、簡単に人に使われないサービスができあがってしまいます。

そのような「Webサービス開発における最悪の状況」を作らないために、次の順序で開発を進めていく必要があります。ここで強調しておきたいことは、「何をやるか?」よりも「どういう順序でやるか?」が成功可否に大きく作用するということです。

多くの人が考えている以上に、企画開発段階における実行順序が、サービスが成功するか失敗するかを分けています。

1.サービスコンセプトデザイン

Webサービス開発において本質的に重要なのは、プロダクトサービスそのものではなく、「誰がどういう状況の時に使う仕組みなのか?」というユーザーの欲求、行動に関する理解です。

しかし多くの場合、アイデアを思いついたときというのは「こういうサービスがあると良い」というプロダクト中心の視点になりがちです。そのため、サービスやプロダクトのアイデアから、利用ユーザーを想定し、アイデアや仮説の検証を行っていくプロセスが必要になることがあります。

手順

  1. 今持っているサービスのイメージを、ムードボードを作成してまとめる。ムードボードを作成することで、サービスの世界観を表現することができる。

  2. (問題解決型スタートアップの場合は)顧客の抱える課題を元に、課題仮説を書く。

  3. 自分達が行う事業のコンセプトを、インセプションデッキのエレベータピッチフォーマットを使って、まとめる。

この段階で、ターゲットユーザー、ターゲットユーザーが抱える課題、解決策、市場性などがざっくりと決まる。

2.サービスコンセプトの検証

PoC(Proof-of-Concept)フェーズ。作成したコンセプトで、実際に市場に顧客がいるか、集客できるか確認するのが目的となる。
リーンスタートアップで言うところの顧客発見フェーズにあたり、OATHの法則におけるThinking以上の「見込客がどれだけいるか」を”サービスプロダクトを作る前に”必ず確認する。

手順

具体的には、下記の作業を行う。

  1. サービスコンセプトを基に、集客用チラシ(A41枚)とプレスリリースを作成する。

  2. チラシには「ユーザーがこのサービスを使うことで、どういうベネフィットが得られるか?」を明記する。

  3. 集客用チラシを基に、実際にユーザーを集客するランディングページを作成する。ランディングページは、Launchrockか Unbounce を使って作成すると良い。

  4. facebookかgoogleに広告を出稿する。期間は1週間とする。

  5. 広告出稿期間の1週間において、ランディングページのUU,PVの計測と、登録者数をチェックする。PVとメールアドレス登録者数のコンバージョン20%が目標。

  6. 登録者数があまりに少ないようであれば、再度コンセプトデザインを実施。

  7. 登録者数が集まったら、彼らはサービスリリース時の見込客となってくれる。週1回を目安にメールマガジンを発行して、継続的にコミュニケーションを行っていく。ターゲットユーザーが集まりそうなセミナーや勉強会に実際に行ってみるのも効果的。

3.サービスデザイン

【利用状況の把握と明示】1.アンケートの実施

Googleフォームを使ってアンケートを作成する。アンケート項目には、下記の要素が把握できるように設定する。

  • ユーザーが持っている「欲求」と「行動」を確認する目的を忘れずに。
  • 「今何をしているか」、「今後何をしていきたいか」。
  • 「〜したいと思いますか?」「〜していますか?」という形式。
  • 「どういう状況のとき」それをしたいと思うか?

【利用状況の把握と明示】2.コンテキストインタビュー

アンケート結果を元に、よりユーザーが置かれている状況を掘り下げた質問をする。

【利用状況の把握と明示】3.KA法による価値モデリング

ユーザーインタビューのデータを元に、ユーザーが求めている価値を、KA法を使って具体化する。最終的には、「価値マップ」と「出来事マップ」を作成する。

【ユーザーの要求事項の明示】4.ペルソナの作成

ここまでで得られた定量データを元に、ターゲットユーザーのペルソナ作成。

【ユーザーの要求事項の明示】5.ユーザーシナリオの作成

【ビジョン提案型構造化シナリオの作成】

  • バリューシナリオ
  • アクティビティシナリオ
  • インタラクションシナリオ(Webの場合はWFでも代用可?)

【ユーザーの要求を満たす解決策の作成】6.ペーパープロトタイプ、UXフロー(ストーリーボード)の作成

ユーザーシナリオを元に、ユーザーエクスペリエンスの一連の流れを作成する。

【ユーザーの要求を満たす解決策の作成】7.アクティングアウトの実施

UXフローを元に、実際の利用シーンを想定して、今までのシナリオに齟齬がないかチェックする。

4.MVPの作成

この段階で、ユーザーの希望を満たす最小限の機能を実装したサービスの設計、実装を行う。

1.システムデザイン

Webサービスの場合は、Rails + Herokuが無難。この段階では、AWSは不要。

  • 画面遷移図の作成
  • ワイヤーフレームの作成
  • 機能要件の抽出
  • URI設計の作成
  • コントローラ、モデルの作成
  • 実装プロトタイプの作成を行い、技術的実現可能性を確認

2.ビジュアルデザイン

  • トーンマナーの策定
  • レイアウトの決定
  • フォントの決定
  • 配色の決定
  • ページデザイン、素材作成(PSD or Fireworks)
  • HTMLコーディング

5.ユーザビリティテスト

動くプロトタイプを実際に使い、当初想定したサービスコンセプトや問題解決が可能か確認する。

6.アルファローンチ

  • 開発中は常にいつでもリリースできるように、デプロイありきで考える。
  • プレスリリース配信、Facebookページ、Twitterの運用等でサービスの露出を高める。
  • 始めは必ず、招待制にする。
  • 日本国内向けなら、ユーザー数10万人の獲得が目標。

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