3ヶ月必要だと思っているWebサービスやアプリのアイデアを3日で試す方法

Webサービスのアイデアを3日で試す方法

あなたが価値を形にするためには、何か良いアイデアを思いついたら、一刻も早く自分の手を動かし、プロトタイピングすることが何よりも重要になります。

今日は、そんなプロトタイピングについてのお話をします。

Journey

アイデアを思いついたら、『マイクロプロトタイプ』を作ってみる。

一番始めのプロトタイプは『2画面ルール』で。

サービスのプロトタイプの条件として、私は『一番始めのプロトタイプは2画面』という制限を設けており、私はこれを『マイクロプロトタイプ(Micro-Prototype)』と呼んでいます。

プロトタイプと言うと、個々人によって規模感がまばらになってしまいますが、ユーザーが直接触れる部分である画面を2画面に制約することで、規模感の認識を統一できます。

2画面しかないわけだから、当然機能においても制約を受けます。2画面しかないにもかかわらず、10個も20個も機能があったら使いづらくてたまらなくなるでしょう。

マイクロプロトタイプの考え方を使うことで、あなたが思いついたサービスのアイデアを簡単に試すことができるようになります。今までは、サービスアイデアを実現するためには、20画面必要と思っていたことが、たった2画面だけ考えればいいんですから。

誰でもアイデアはたくさん思いつく。しかし、本質を抽出できる人とできない人がいる。

私たちは日々、様々なアイデアを思いつきます。『こういうサービスがあったらいいんじゃないか、ああいうサービスがあったらいいんじゃないか』と。

しかし、実際にそれらのアイデアのためにコードを書き、リリースまで持っていくものは極わずかです。なぜなら、良いサービスのアイデアが思いついたとしても、一般的なWebサービスが持つ機能全てが必要だと考えてしまうと、試行と実装のコストが高くつき、時間と労力が見合わないためです。

どのサービスでも必要となるような、『ユーザー管理やログイン機能をどうしよう?』と時間を浪費するのは得策ではありません。そんなものは後でどうにでもなります。

一番始めのプロトタイプは2画面に収める』というルールを課すことで、自分が思いついたアイデアすべてがなければ価値が生まれないと考えるのではなく、『ユーザーがこのサービスを使うことで、本質的に価値がある体験とは何なのだろうか?』という問いを自らに発することができるようになります。

『考え始める必要性』があってこそ、脳は頭を使いはじめる。

制約が生まれないと、人間は考えない。制約が生まれて、初めて考え始める。

制約とは必要性です。Webサービスは様々な機能を持つシステムの集合体ですが、そのサービスを使う中でユーザーが得られる10個の体験のうち、価値あるユニークなものは、たった2個の体験だけです。

例えば、Googleだったら『ユーザーは、いつでもすぐに知りたい情報を知ることができる』という体験であり、これは検索キーワード入力画面と、検索結果表示画面の2画面で構成されています。

ユーザーが見えるこの2画面はサーチャーの部分だけですが、『ユーザーがこのサービスを使うことでどういう体験ができるのか?』はマイクロプロトタイプのたった2画面で説明することができます。
(※実際のところ検索エンジンの場合は、この体験を生み出すためのクローラとインデクサがより重要にはなりますが。)

時間もお金もモチベーションも、すべては限られている。

成長というのは、徐々に肉付けされていくものです。後から来た者は、その成長したものに価値を感じ、その価値を生んでいるのはそれらすべてだと考えがちですが、はじめからすべての要素があって、その状態になっているわけでは決してありません

何事にも、コアというものが必ずあります。そして、そのコアはとても小さい。小さいけれども、完成度は高く、そのコア単体でも十分に価値提供ができるようになっている。

いや、あれもできなきゃ、これもできなきゃ価値がないんだよ。』と考えているうちは、あなたはそのサービスの本質的な価値をまだ見いだせていません。

時間もお金もモチベーションも、すべては限られています。だからこそ、プロトタイプでは、価値の源泉となっているコアだけを作ることに専念する。そして、その規模は2画面だけです。

こう考えることで、私たちは初めて、3ヶ月かけなければ試せないと思っていたアイデアを3日で試すことができるようになります

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