『川の周りにはなぜ桜が多いのか?』江戸時代の人が考え抜いた理由から学ぼう

土手になぜ桜を植えているか?

日本の春の風物詩、桜。

4月も下旬となりお花見シーズンが終了し、世の中はゴールデンウィークに突入しようとしています。

日本の春といえば桜ですが、桜が咲いている場所というのは偏りがあるということを知っていますか?

起業と桜に何の関係がと思えるかもしれませんが、今日はそんなお話です。

CherryBlossoms

お花見、どこでしましたか?

お花見の主役である桜の木。毎年3月下旬から4月中旬にかけて、日本では至る所でお花見が催されていますが、あなたはどんな場所でお花見をしたでしょうか?

公園や広場、学校でしたか?それとも、水がサラサラと流れているような水辺の近くでしたか?いずれにしても、大勢の人が集まるような場所ではなかったでしょうか?

川や水回りの近辺に桜の木は多く植えられています。

実は桜の木というのは、川や土手といった水回りの近辺によく植えられている傾向があります。なぜ「川の周りには桜が多い」のでしょうか?

これには、ある理由があります。

川の周りになぜ桜が多いのか? その理由は江戸時代にあり。

今から遡ること江戸時代。江戸時代はインフラの整備がまだまだ未熟で、大雨が降ると川が氾濫し土手の決壊が起こり、洪水の被害に悩まされていました。人々は何とかして土手の決壊を防ぎ、洪水の被害を最小限に抑えるためにはどうすればよいか日々考えていました。

「どうすれば、土手が決壊しなくなるか?」を考えているとき、1人の人間がある考えを思いつきました

土手の決壊を防ぐためのアイデア

「うーん、どうすれば、土手が決壊しなくなるのだろう? やはり、土手をもっとしっかり踏み固めなければだめだろうな。でも、一人で土手を踏み固めるのは大変だし現実的じゃないな。もっと多くの人が集まれば、踏み固めてくれるのになぁ。」

「土手を踏み固めるために人を集めたら報酬を出さなければいけないし、川沿いすべての土手を踏み固めるには莫大なお金が必要になるだろう。残念ながら、予算は限られているしそんなお金はないなあ…」

「何か良い方法はないものか。お金をかけずに多くの人が土手を踏み固めてくれる方法…」

「そうだ! 日本人は毎年春にお花見して、大盛況だ。もしかしたら、土手の周りに桜を植えれば、お花見目当ての人が来て、結果的に踏み固めてくれるのではないだろうか?

これが、土手の決壊を防ぐ決定的なアイデアでした。

桜の苗木分のお金は捻出しなければいけませんが、毎年多くの人に川の土手を踏み固める仕事を依頼するのに比べたら、苗木の値段は微々たるもの。早速、桜の苗木を購入し、川沿いの土手に桜を植え始めました。

はじめこそ人が来ませんでしたが、桜の木が成長するにつれ、あそこの川沿いにはきれいな桜が咲くという話題になり、徐々に毎年人が集まりはじめ、集まった人達が土手を踏み固めてくれ、また桜も成長に従い土手に根ざすことで頑丈になり、数年後には川の氾濫が起きても土手が決壊しなくなったそうです。

あれほどおおきな桜の木も、初めはこんなに小さな桜の苗木です。

植える場所があったら、庭などに今のうちに植えておけば数年後には大きな桜の木に成長していきますよ。

知る人ぞ知る『さくら盆栽』は、自宅で桜が楽しめる風流な桜の木。
桜といえば、大きな木のイメージが強いですが、こちらは自宅でも桜が楽しめるとても風流な盆栽です。

⇒ 桜盆栽一才桜

あまり知られていませんが、春の季節、自宅に一つあると華やかな雰囲気になり、とても風流な雰囲気がつくれるのでおすすめです。

良いアイデアの思考プロセスとは

このアイデアを分析してみると、7つの段階を得ていることがわかります。

  • 1.【問題】「うーん、どうすれば、土手が決壊しなくなるのだろう?」
  • 2.【願望】「土手をしっかりふみかためればいいのでは?」
  • 3.【欠乏】「でも、一人で土手を踏み固めるのは大変だ。」
  • 4.【希望】「人が集まれば、踏み固めてくれるのに!」
  • 5.【発想】「土手の周りに桜を植えれば、人が来て踏み固めてくれる」
  • 6.【実行】「苗木を購入し、時間をかけ育てた」
  • 7.【結果】「土手が決壊しなくなった」

このようなアイデアから望ましい結果を得るためには、どれ一つ欠けても成り立ちません。「幸運は不幸を伴い訪れる」と言いますが、多くの起業家や成功者が言うように「問題というのは幸運に繋がるチャンス」なんですね。

そもそも問題がなければ、人は考える必要がありません。問題にぶち当たるというのは人が行動するために必要不可欠な要素です。インターネットの検索でも何か知りたいことだったり、問題があったときに検索し始めます。何も知りたいことがないときにわざわざ検索なんてしません。

次にその問題にぶちあたったとき、その問題を解決したい、どうすれば解決できるだろうという願望がなければあーでもない、こーでもないと考え続けるのは不可能でしょう。だからこそ、起業では「儲かりそうな問題ではなく、自分事の問題」でなければなりません。

そして、もし莫大な予算やお金を持っていたとしたら、3の欠乏状態が発生しません。「予算はあるので、土手踏みの仕事としていくばくかの報酬を出し、毎年その仕事を依頼する」という問題の解決策もあり得ました。

しかし、「限られたお金だったからこそ、知恵を絞らざるを得ない状況」であり、その状況が飛躍となるアイデアを生み出しました。制約された状況にいたからこそ、さらに先に進むことができたわけです。

このように、「問題→願望→欠乏→希望→発想→実行→結果」と連続的に繋ぐことで、今自分が置かれている状況から望ましい結果へと変化を生み出していくことはゼロから何かを産み出す起業やスタートアップで日々求められることです。




「なにかを実現し成し遂げるには、願望よりも欠乏」こそが大切。

先日、メタップス創業者の佐藤航陽さんがこんなことを仰っていました。

メタップス 佐藤航陽

何かを実現し成し遂げるには、願望よりも欠乏が重要である」というのは、私が常に意識をしていることですが、佐藤航陽さんいわく、その「満たされない状態を味わい続ける理想や夢を持つ人間は不幸な人間である」というのはそのとおりなのかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です